今回は「免責が戻ってくる・返ってくる・充当される」とはなにか、を解説します。
「免責が戻ってくる」とは
免責が戻る=示談後、相手からの回収金を契約者に渡す、ということ
相手からの回収金額は、本来保険会社が回収しますが、車両免責金額がある場合には、契約者に優先的に返金する、ということです。
戻ってくる金額はMAX免責金額までで、免責全額分戻らないこともあります。
戻ってくる免責・戻ってこない免責
戻ってくる可能性があるのは車両免責
車両保険の免責金額は、事故によっては戻ってくる可能性があります。
一方、対物保険の免責金額は、戻ってきません。
免責が戻るのはどんな事故?
免責が戻るのは、相手に責任割合が発生する事故
具体的には、相手の責任割合が5〜100%になる事故です。
相手がいない自損事故(電柱とぶつかったなど)では、免責は戻ってきません。
免責が戻ってくるタイミング
免責が戻ってくるのは示談完了後
基本的に、免責分は相手と示談完了した後に戻ってきます。
示談完了とは、双方の損害額が決定し、過失割合にお互いが合意した時です。
なぜ免責が戻ってくるのに一度支払うのか
契約者が一度払う必要があるのは、免責分がいつ戻ってくるかわからないため
免責が後で戻ってくることが確定していたとしても、修理工場は「免責分を先払いしてほしい」と契約者に伝えることが多いです。
なぜなら揉めている案件では特に、免責がいつ戻ってくるかわからず、修理工場はいつ免責分が払われるのかと不安な状態が続いてしまうからです。
なお、修理工場に免責分を支払うタイミングは、修理完了・納車時が多いです。
免責がいくら戻るかの計算方法
【A】 【B】
あなたの修理費(または時価額) × 相手の責任割合 =戻ってくる金額(免責限度)
掛け算の計算の結果、
あなたの設定している免責金額を超える⇨免責全額が戻ってくる
あなたの設定している免責金額を超えない⇨計算結果の金額が戻ってくる
ということになります。
【A】と【B】が両方大きい数字だと、免責全額が戻る可能性が高く、両方小さい数字だと戻る金額は少額になりやすいです。
【A】と【B】のどちらか片方が小さい数字だと、ケースバイケースです。
なお、【A】の修理費または時価額というのは、あなたの車の分損・全損によって変わります。
あなたの車が相手保険から見て分損⇨【A】には修理費を入れて計算
あなたの車が相手保険から見て全損⇨【A】には時価額を入れて計算
免責が全額戻る例
あなたの修理費が高額で相手が加害
・あなたの修理費が100万(相手保険から見ても分損)
・相手の責任割合が80%
・あなたの車両免責が10万
100万 × 0.8=80万
免責10万<計算結果80万 となるため、免責は10万全額戻ってきます。
あなたの修理費が高額で相手が被害
・あなたの修理費が100万(相手保険から見ても分損)
・相手の責任割合が10%
・あなたの車両免責が10万
100万 × 0.1=10万
免責10万=計算結果10万 となるため、免責は10万全額戻ってきます。
免責が一部戻る例
あなたの修理費が低額で相手が被害
・あなたの修理費が20万(相手保険から見ても分損)
・相手の責任割合が30%
・あなたの車両免責が10万
20万 × 0.3=6万
免責10万>計算結果6万 となるため、免責は6万のみ戻ってきます。
あなたの修理費が高額で相手が被害
・あなたの修理費が80万(相手保険から見ても分損)
・相手の責任割合が10%
・あなたの車両免責が10万
80万 × 0.1=8万
免責10万>計算結果8万 となるため、免責は8万のみ戻ってきます。
まとめ
・免責が戻る=示談後、相手からの回収金を契約者に渡す(免責額限度)
・相手に責任割合が発生する事故だと、車両免責は返ってくる可能性がある
・免責が戻ってくるのは示談完了後
戻ってくる金額の計算方法
あなたの修理費(または時価額) × 相手の責任割合 =戻ってくる金額(免責限度)
以上、免責が戻ってくるとはどういうことか、の解説でした!