今回は自動車事故の片側賠償について解説します。略して片賠(かたばい)です。
片側賠償とは
片側賠償とは:「被害側の車の修理費×被害側の過失割合分」のみ、被害側が負担すること
例)8:0や9:0など
言い換えれば、片側賠償とは「加害側の修理費×被害側の過失割合分」につき被害側は負担しない、ということです。
片側賠償ではない通常の示談では、双方損害合計額×被害側の過失割合分を、被害側が負担します。
加害側に対して賠償しなくていいので、被害側にとって気持ち的・金銭的の両面でメリットがあります。
※補足
もちろん2:0なども片側賠償ですが、現実問題、被害側が賠償請求せず、加害側が賠償請求するなんてことはほとんど起こりえません。
片側賠償で示談するのはどんな時?
・被害者が割合に納得していない時
・片方が修理も損害賠償請求も行わない時
被害者が割合に納得していない時
例えば基本割合9:1の事故で、被害側が「1割も負担するのは納得できない」という時。
さすがに100:0で対応は難しいという場合の、妥協案として9:0の片側賠償という示談方法を取ることがあります。
片方が修理も損害賠償請求も行わない時
主に加害側の人が、車の損傷がほとんど目立たず、修理も賠償請求もしないという場合。
この場合は自動的に片側賠償になります。
片側賠償が有効なのはどんな時?
片側賠償は、加害側の損害額が大きいときに、より有効
例)被害側の損害額が大きい時(多少有効)
例)基本割合 被害者:加害者=2:8
修理費 被害者:50万
加害者:30万
今回事故の総損害額は80万(修理費両方の合計)
基本割合2:8で示談した場合 被害者が負担するのは80万×20%=16万
片側賠償0:8で示談した場合 被害者が負担するのは50万×20%=10万
上記の例では片側場合にすることによって、被害者の負担が6万円減ります。
例)加害側の損害額が大きい時(非常に有効)
例)基本割合 被害者:加害者=2:8
修理費 被害者:30万
加害者:50万
今回事故の総損害額は80万(修理費両方の合計)
基本割合2:8で示談した場合 被害者が負担するのは80万×20%=16万
片側賠償0:8で示談した場合 被害者が負担するのは30万×20%=6万
上記の例では片側場合にすることによって、被害者の負担が10万円減ります。
まとめ
片側賠償とは:「被害側の車の修理費×被害側の過失割合分」のみ、被害側が負担すること
片側賠償で示談するのは
・被害者が割合に納得していない時
・加害側が修理も損害賠償請求も行わない時
片側賠償が非常に有効なのは、加害側の損害額が大きいとき
以上、片側賠償の解説でした。